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「親が認知症になったら実家が売れない!?」口座凍結や手続き停滞を防ぐために“今すぐ”知っておくべき家族信託と生前対策

執筆者の写真: モリヤキミヨシ
モリヤキミヨシ
8月11日
読了時間: 5分

「親も高齢になってきたし、そろそろ実家の処分や老人ホームの入居費用について考えなきゃな…」

そう思いつつも、日々の忙しさに追われて対策を後回しにしていませんか?

実は、「親が認知症になってから実家を売ろうとしたら、何もできなくなった…」 というトラブルが全国で急増しています。

親の判断能力が低下すると、不動産の売買契約が結べなくなるだけでなく、親の銀行口座まで凍結されてしまい、介護費用すら引き出せなくなるという厳しい現実に直面します。

今回は、親が認知症になる「前」に知っておくべき実家売却の落とし穴と、危機を回避するための最強の選択肢である「家族信託」について分かりやすく解説します!




1. なぜ親が認知症になると不動産売却ができなくなるのか?


まず結論からお伝えすると、意思能力(判断能力)がない状態で行われた不動産売買契約は法律上「無効」になります。

不動産の売却には、名義人本人の「売却する」という明確な意思確認が必要です。そのため、親が認知症を発症して判断能力が低下すると、以下のような手続きが一切停止してしまいます。

  • 不動産売買契約の締結

  • 売却に伴う所有権移転登記

  • 実家の解体や大規模リフォームの契約

さらに深刻なのが「口座凍結」です。親の判断能力低下が銀行に伝わると、預金の引き出しや振込ができなくなります。つまり、「実家を売って親の介護費用や施設入居金に充てる」という計画が完全にストップしてしまうのです。



2. 認知症になってからでは遅い?「成年後見制度」の大きな壁


「親が認知症になっても、成年後見人を立てれば実家を売却できるのでは?」と思うかもしれません。

確かに「法定後見制度」を使えば、家庭裁判所に選ばれた成年後見人が本人の代理として手続きを行うことができます。しかし、ここには家族にとって想定外の大きなハードルが存在します。

成年後見制度の注意点

  1. 自宅売却には家庭裁判所の許可が必要 成年後見制度はあくまで「本人の財産保護」が目的です。そのため、本人の介護費用を作るなどの明確かつ切実な理由がない限り、家庭裁判所から自宅売却の許可が下りないことがあります。

  2. 家族が自由に管理・処分できない 司法書士や弁護士などの専門家が後見人に選ばれるケースも多く、その場合は毎月の報酬が発生します。また、節税対策や資産運用のための処分は認められません。

  3. 手続きに数ヶ月〜半年以上の時間がかかる 家庭裁判所への申し立てから後見人の選任、売却許可までには膨大な書類作成と時間がかかります。「今すぐ売却して施設に入れたい」というスピード感には対応できません。

認知症になってから動こうとすると、想像以上の費用・時間・制約に縛られることになります。



3. 解決策は「認知症の前」の「家族信託」!


親が元気な(判断能力がある)うちに対策をしておけば、このリスクは100%回避できます。その中で今最も注目されているのが「家族信託(民事信託)」です。

家族信託とは?

家族信託とは、「親(委託者)が所有する不動産や預金などの管理・処分権限を、信頼できる子ども(受託者)に託す契約」のことです。

不動産の所有権そのものをあげる(贈与する)わけではなく、あくまで「管理や売却の権利」を子どもに託す仕組みです。

家族信託を活用する圧倒的メリット

  1. 親が認知症になっても、子ども自身の判断で実家を売却できる 信託契約を結んでおけば、親の判断能力が低下した後でも、受託者である子どもが自分の名前で不動産の売却契約を結ぶことができます。

  2. 売却代金を親の介護費用に充てられる 売買代金は親(受益者)のための資金として管理されるため、介護施設への入居一時金や日々の生活費へスムーズに活用できます。

  3. 裁判所の許可や複雑な制約がない 成年後見制度とは異なり、事前に家族間で決めたルールに基づき柔軟に財産を管理・処分できます。


4. 放置するとヤバい!「実家放置」のリスクと法改正


「まだ親も元気そうだし、そのうち考えればいいか…」と先延ばしにしていると、売却不能以外にも様々なトラブルが襲いかかります。

① 改正空家法による固定資産税の激増

誰も住まなくなった実家を放置して管理不全状態になると、自治体から「管理不全空家」や「特定空家」に指定される可能性があります。指定を受けて改善勧告が出されると、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1の減額措置)が解除され、税金が跳ね上がるリスクがあります。

② 相続登記の義務化(2024年4月〜施行)

2024年4月から、不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務化されました。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象となります。認知症によって生前対策ができないまま放置されると、将来の相続手続きがより複雑化してしまいます。



5. まとめ:親が元気な「今」しかできない緊急対策


親の認知症発症は、ある日突然やってきます。 そして一度発症してしまうと、家族信託も、遺言書の作成も、不動産の売買契約もすべてできなくなってしまいます。

今すぐできるアクションプラン

  1. 親の意向を確認する(将来この家をどうしたいか、どこで暮らしたいか)

  2. 「住まいのエンディングノート」などを活用して話し合う

  3. 専門家(司法書士や不動産コンサルタントなど)に家族信託や相続の相談をする

実家という大切な資産を守り、親が安心して老後を過ごすためにも、親が元気な「今」、家族で住まいの将来について話し合ってみませんか?

早めの準備こそが、家族全員の笑顔と財産を守る一番の近道です!


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【この記事を書いた人】森谷公善(モリヤキミヨシ)

(資格等)宅地建物取引士/全日本不動産協会空き家応援会員/現役ハウスクリーニング職人/認知症サポーター/ジェロントロジーマイスター(取得中)(略歴)1970年5月 神奈川県小田原市生まれ/2003年4月 神奈川県の不動産、建築の地元中堅会社勤務/2024年8月 シニア特化型不動産会社「シニアライフリアルティ株式会社」創立、代表取締役。 (趣味)ウクレレ、落語鑑賞、林道ポタリング、アルコールインクアート等

 
 
 

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