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親の介護費用・施設費を捻出したい!実家を整理・売却して資金化する5つのステップ

執筆者の写真: モリヤキミヨシ
モリヤキミヨシ
8月10日
読了時間: 8分

「親の介護費用や医療費が毎月かさんで厳しい…」 「特別養護老人ホームや有料老人ホームに入居させたいけれど、入居一時金や月々の施設費用をどう捻出したらいいかわからない…」

こうした悩みを抱えるご家庭は非常に増えています。親の介護が必要になったとき、まとまった資金を確保する現実的で効果的な方法が「親名義の実家を整理・売却して資金化すること」です。

しかし、「親名義の家を子どもが勝手に売ってもいいの?」「親が認知症になったらどうするの?」といった疑問や不安をお持ちの方も多いはず。

そこで今回は、親の介護費用や老人ホーム費用を捻出するために、実家を安全かつスムーズに処分・売却する具体的手順をわかりやすく解説します!

目次

  1. 親の介護費用・施設入居費はどのくらいかかる?

  2. 【重要】親名義の実家を売却する前に知っておくべき「判断能力(認知症)」の壁

  3. 実家を整理・売却して介護費用を捻出する5つのステップ

    • Step 1:現状把握と家族での話し合い

    • Step 2:権利関係・名義の確認(相続登記の義務化にも注意!)

    • Step 3:実家の片付け・家財整理と建物状況調査(インスペクション)

    • Step 4:不動産会社選びと査定・媒介契約

    • Step 5:売却決済と節税特例(3,000万円特別控除)の活用

  4. 放っておくと危険!「空き家放置」のデメリットと税制リスク

  5. まとめ:早めの準備と専門家へのご相談が安心への第一歩


1. 親の介護費用・施設入居費はどのくらいかかる?

親の介護が始まると、医療費や介護サービス利用料に加え、自宅のバリアフリー改修費など様々なお金が必要になります。さらに施設(老人ホーム等)へ入居する場合、以下のような費用が発生します。

  • 入居一時金(頭金):0円〜数千万円(施設による)

  • 月々の施設費用:月額 10万円〜30万円前後(介護保険自己負担分、食費、居住費など)

親の年金や貯蓄だけでまかなえれば理想的ですが、長期化する介護費用に耐え切れず、子の世帯が家計から補填しているケースも少なくありません。 そこで、誰も住む予定がなくなる「親の実家」を売却し、現金化して介護用資金として充てるのが非常に合理的な選択肢となります。



2. 【重要】親名義の実家を売却する前に知っておくべき「判断能力(認知症)」の壁

親名義の実家を売却する際に最も注意しなければならないのが、「親本人の判断能力(意思能力)」です。

不動産の売買契約は法律行為であるため、所有者である親本人に十分な判断能力がなければ、子どもであっても勝手に売却することはできません。

① 親に判断能力がある場合(認知症になる前)

親が元気に会話でき、自分の意志で判断できる状態であれば、通常の不動産売却手続きが可能です。 また、将来の認知症発症に備えて「民事信託(家族信託)」や「任意後見制度」を活用しておけば、万が一認知症が進んだ後でも、子どもが受託者として実家の管理・売却手続きを進めることができます。

② 認知症等で親の判断能力が低下している場合

すでに認知症が進行し、契約内容を理解・判断できない状態の場合、家庭裁判所に「成年後見制度(法定後見)」の利用を申し立てる必要があります。 家庭裁判所によって選任された「成年後見人」が、親に代わって財産管理や売却手続きを行います。

💡ここがポイント! 成年後見人が親の「居住用不動産(実家)」を売却する場合、家庭裁判所の許可が必要です。介護費用や施設入居費用の捻出という明白な理由があれば許可されやすいですが、手続きには数ヶ月程度の時間がかかるため、早めの行動が大切です。


3. 実家を整理・売却して介護費用を捻出する5つのステップ

それでは、実際に親名義の実家を整理・処分して資金化するまでの具体的な手順を見ていきましょう。

Step 1:現状把握と家族での話し合い

まずは、介護に必要な資金の総額(施設の一時金や月々の不足額)を算出し、実家の処分方針を固めます。 兄弟姉妹や親族間でのトラブルを防ぐためにも、以下の点について事前にしっかり共有しておきましょう。

  • 親の意向(実家を手放すことへの納得感)

  • 売却で得た資金の使い道(親の介護・施設費用に充てることの合意)

  • 国土交通省などの「住まいのエンディングノート」等を活用し、不動産の所在地や権利証(登記識別情報)の保管場所を確認する

Step 2:権利関係・名義の確認

売却しようとしている実家の登記簿謄本(登記事項証明書)を取り寄せ、所有者名義や権利関係を確認します。

  • 親単独名義か、共有名義か?(亡くなった配偶者や名義変更前の祖父母の名義が残っていないか)

  • 相続が発生している場合:2024年4月1日から「相続登記の申請が義務化」されています。名義変更が済んでいない場合は、まず相続登記を行わなければ売却できません。

登記や権利関係でわからない点がある場合は、司法書士などの専門家に相談するとスムーズです。

Step 3:実家の片付け・家財整理と建物状況調査(インスペクション)

家の中に残された家具や遺品・不要品(家財)を整理します。

  • 親の思い出の品や貴重品(通帳・印鑑・権利証など)を仕分ける

  • 不要な家具や家電は、専門の不用品回収・家財整理業者へ依頼する

  • 建物状況調査(インスペクション)の検討:特に古い木造住宅などの場合、専門家による建物調査を行うことで、引き渡し後の雨漏り等のトラブルを防ぎ、買主にも安心して購入してもらいやすくなります。

Step 4:不動産会社選びと査定・媒介契約

実績の豊富な不動産会社に実家の査定(机上査定・訪問査定)を依頼します。

  • 仲介売却:市場価格で売りに出す方法。比較的高値で売れる可能性があるが、買主が見つかるまでに数ヶ月〜半年以上の時間がかかる。

  • 不動産買取:不動産会社に直接買い取ってもらう方法。価格は市場価格より下がることが多いが、即座に現金化できるため「すぐ施設入居資金が必要」という場合に適している。

  • 自治体の空き家バンクの活用:地方の実家などで買い手が見つかりにくい場合に有効。

売却方針に合った不動産会社を選び、媒介契約を結びます。

Step 5:売却決済と節税特例(3,000万円特別控除)の活用

買主と売買契約を結び、手付金・残代金の受け取りと引き渡し(決済)を行います。得られた売却代金は、親の介護費用や老人ホームの入居一時金に活用できます。

また、実家を売却して譲渡益(利益)が出た場合は譲渡所得税がかかりますが、一定の要件を満たすと税負担を大幅に軽減できる制度があります。

🌟注目の税制特例:「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」 相続した実家(昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋など)を売却・処分する場合、一定要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円まで控除される特例があります(2027年12月31日まで適用可能)。税金面でも損をしないよう、税理士や不動産会社に事前に確認しておきましょう。


4. 放っておくと危険!「空き家放置」のデメリットと税制リスク

「手続きが面倒だから…」と親が施設に入った後の実家を空き家のまま放置しておくのは大変危険です。

  1. 老朽化と近隣トラブル:樹木の繁茂、害獣の発生、外壁の落下、倒壊リスク。

  2. 「管理不全空家」指定による増税:改正空家法に基づき、自治体から管理不全空家や特定空家に指定・勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(税金が最大6分の1に減額される仕組み)が解除され、固定資産税が跳ね上がることになります。

  3. 維持費(管理コスト)の無駄:固定資産税や草刈り代、定期通水・換気の代行費用など、住んでいなくても年間数テン万円以上の維持費がかかり続けます。

実家を使わないと分かった段階で、早めに売却・資金化へ向けた動くことが、結果として親にとっても家族にとっても最善の選択となります。



5. まとめ:早めの準備と専門家へのご相談が安心への第一歩

親の介護費用や老人ホームの入居費用の捻出に向けて、親名義の実家を売却・処分する流れを解説しました。

実家の売却には、「親の判断能力の確認」「権利関係・名義の整理」「家財整理」「不動産査定」など、さまざまなステップが必要です。

「何から手をつけていいかわからない」という時は、まず以下の相談窓口や専門家を活用してみてください。

  • 地域包括支援センター / 市区町村の空き家相談窓口(介護手続きや空き家問題の全般相談)

  • 司法書士(相続登記、成年後見制度、民事信託の相談)

  • 信頼できる不動産会社 / 不動産コンサルタント(実家の査定・買取・媒介の相談)

親が元気なうちから話し合いを進め、スムーズな資金化を実現して、安心して介護を支えられる体制を整えていきましょう!

(※本記事の情報は2026年時点の最新法制・税制に基づき作成しています。個別の税金・登記手続き等については各種専門家にご相談ください。)


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【この記事を書いた人】森谷公善(モリヤキミヨシ)

(資格等)宅地建物取引士/全日本不動産協会空き家応援会員/現役ハウスクリーニング職人/認知症サポーター/ジェロントロジーマイスター(取得中)(略歴)1970年5月 神奈川県小田原市生まれ/2003年4月 神奈川県の不動産、建築の地元中堅会社勤務/2024年8月 シニア特化型不動産会社「シニアライフリアルティ株式会社」創立、代表取締役。 (趣味)ウクレレ、落語鑑賞、林道ポタリング、アルコールインクアート等

 
 
 

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